【天才・偉人の日課】経営学の神様、ピーター・F・ドラッカーを作った習慣とは?

習慣の専門家・Seikiです。
「習慣を制する者は、人生を制す」
「継続は力ではない。全てである」
を座右の銘に、日々習慣について極めんとしている私ですが、
天才とか偉人とかってどんな習慣を持っていたか、気になりません?
彼らと同じトレーニングをすれば、
同レベルまでは行けなくとも、限りなく近づくことはできるわけですからね。
今日取り上げますは経営学の神様、ピーター・F・ドラッカーです。
Contents
ドラッカーとは?
「もしドラ」で知った人が多いかもしれませんが、
経営学の神様と呼ばれる人物です。
が、本人は自分を経営学者と思っておらず
「社会生態学者」というセルフイメージで活動していました。
要は社会一般を生態として研究する中で、
企業のこと、知識労働者のこと、経営者のこと、これからの社会の姿
を語っていたという感じですね。
偉大なるティーチャー
ドラッカーの思想や著作は古今東西の経営者やビジネスマンに信奉されています。
ここで注目したい事実があります。
ドラッカー本人は、別に会社を経営した経験がないんですよ。
私たちって、
仕事でも習い事でも
「結果を出した人」
「実績のある人」
「経験豊富な人」
から学びたいし、教わりたいって思うもんじゃん?
成功者の成功本が売れるのはまさにその点にあるわけだし。
ただ、「プレイヤーとして優秀な人」ってティーチャーとして優秀とは限らないんですよね。
学校の体育の先生がまさに典型ですが
「自分は自然にできちゃうので、できない人の気持ちがわからない」
からトンチンカンな指導しかできなかったりもしばしば。
が、ドラッカーは大学教授として、コンサルタントとして、
20世紀最高峰の知性でもって冷静に観察・研究し続けた結果、
時代を超えて学ばれる思想を構築したというわけですね。
ドラッカーを作った習慣・トレーニングとは?
前置きはさておき、
ドラッカーを偉大な人物へ押し上げた経験、トレーニング習慣をまとめますね。
ドラッカーを変えた7つの経験
1 ヴェルディの教訓:目標とビジョンを持って行動する
当時大学生をやりながら商社の見習い(今でいえばインターンシップみたいなもん)をやっていたドラッカーは
暇な夜の時間を持て余しており、
週に一回はオペラを聴きに行っていました。
大学生はオペラを無料で聴けるそうで、ある夜ヴェルディ作曲の
「ファルスタッフ」を聴いて圧倒されます。
そしてその感動のままヴェルディについて調べていると
「80歳という年齢(当時の平均年齢は50歳くらい)で、なぜ並外れて難しいオペラをもう一曲書くという大変な仕事に取り組んだのか」
という問いに対して
「いつも失敗してきた。だから、もう一度挑戦する必要があった」
と答えたヴェルディに衝撃を受けます。
一生の仕事が何になろうとも、この言葉を道しるべとしよう。
いつまでも諦めずに、目標とビジョンを持って自分の道をあゆみ続けよう。
失敗し続けるに違いなくとも完全を求めていこう。
という「心の軸」が出来上がった感じですね。
2 フェイディアスの教訓:神々が見ている
ヴェルディに衝撃を受けた頃に
古代ギリシャの彫刻家フェイディアスの話を読んだ若き日のドラッカー。
フェイディアスはアテネのパンテオンの屋根に立つ彫刻群を完成させました。
が、完成直後にアテネの会計官は支払いを拒みます。
「彫像の背中は見えない。誰にも見えない部分まで彫って、請求してくるとはなにごとか」
と。
まぁ要するに
「たけーよ、ボケ。まけろや」
というイチャモンですが、フェイディアスはこう返します。
「そんなことはない。神々が見ている」
「神」を出されてはアテネのボンクラ会計官も
「グヌヌ」と黙らざるを得ませんね。
まぁ要は
「神の水準で仕事しよう」
という教訓です。
3 記者時代の決心:一つのことに集中する
ドラッカーは割と色々な職業や職場を経験しているのですが、
二十歳の頃にはフランクフルト最大の新聞社に勤めていました。
ヴェルディとフェイディアスの教訓が身についている以上、
ものを書く以上、
いい加減な知識に基づく適当な文章ではいかん、と。
なので何がなんでも勉強するようになったのです。
中世史、日本画、統計学、国際法、なんでも。
そして、キチンと何かをモノにするには、
一度に一つのことを徹底的に集中して学ぶのが効果的だと悟ったのです。
まぁここら辺は、「効果的な学び方」は人それぞれ違うもんなので、参考程度に。
4 編集長の教訓:定期的に検証と反省を行う
ドラッカーが務めていた新聞社の編集長で、ヨーロッパでも指折りのジャーナリストがいたそうです。
彼はドラッカーを含めた若いスタッフを指導するために
- 毎週末、一人一人と差し向かいで1週間の仕事ぶりについて話し合う
- 半年ごと(新年と、6月の夏休みの入る直前)に、二日ほど時間を使って半年間の仕事ぶりについて話し合う
ようにしていたそうです。
そこでは
- よくやった仕事をほめる
- 結果はともかく、一生懸命頑張った仕事をほめる
- 一生懸命やらなかった仕事を取り上げる
- お粗末な仕事や失敗したことを痛烈に批判する
- 最後の2時間で、これからの仕事について「集中すべきことは何か」「改善すべきことは何か」「勉強すべきことは何か」話し合う
ようにしていたんですね。
この経験によって自分なりにPDCAサイクルを回せるようになり、
長きにわたって知的労働に携わる土台を形成できたのです。
5 シニアパートナーの教訓:新しい仕事が要求するものを考える
フランクフルトを離れてロンドンへわたったドラッカー。
大手の保険会社で証券アナリストを務め、一年ほどして投資銀行へ移ります。
そこのシニアパートナーにある日ガツンと言われました。
「もともとお前には期待していなかったけど、思っていた以上にテメーはダメな小僧だ!!」
的な。
ドラッカーは拳を固めそうになるわけですが、
さらにそのシニアパートナー曰く
「保険の証券アナリストとしてよくやっていたのは分かったよ。
でも、今はアナリストじゃねーだろ。
アナリストぶってないで今の仕事をキチンとやれや!」
あれですね。マッ○ンゼーとかリク◯ートとかで働いていた人が
「前の会社では〜」とか言って仕事のやり方とかを押し付けてくる感じだったのでしょう。
「そんなに前の会社がいいなら、元いた会社に戻れや!!」
というお説教ですね。
ここでドラッカーは、
古いスタイルをアンラーニングし、
新しい仕事が要求するスタイルを学んでいくようになったのです。
6 イエズス会とカルヴァン派の教訓:書きとめておく
イエズス会の修道士やカルヴァン派の牧師は、何か重要な決定をする際に、期待する結果を書きとめておくそうです。
そして一定期間後(半年とか)、実際の結果と見比べるんですね。
私もこれはやるようにしていますが
- 自分の得意な分野
- 自分の苦手な分野
- 効果的なやり方
- いまいち力を発揮できない状況
- 学び直さなければいけないこと
- 自分なりの課題
がえげつないほどよく分かります。
成長するためには、書きとめろ!!
って言いたい。
7 シュンペーターの教訓:何によって知られたいか
ニューヨーク大学でマネジメントについて教えるようになっていたドラッカー。
1949年のクリスマスにドラッカーの父・アドルフは知り合いに会いに来ました。
その知り合いとはなんと、経済学者のシュンペーター。
えらいビッグネームと知り合いなんだね、パパ。
そんなパパはシュンペーターに
「君は、自分が何によって知られたいか、今でも考えることはあるかい?」
と問います。
30歳ごろのイケイケのシュンペーターは
「ヨーロッパ一の美人を愛人にし、ヨーロッパ一の馬術家として、
そしておそらくは世界一の経済学者として知られたい(ドヤ)」
と豪語していたんですね。
が、この時にはこう答えます。
「その質問は今も大事だが、昔とは考え方も変わった。
今は一人でも多く優秀な学生を一流の経済学者に育てた教師として知られたいと思っている」
「本や理論で名を残すだけでは、自分一人がすごくなるだけじゃ、満足できない年齢と境地に至った。
人を変えることができなかったら、
自分以外の誰かをすごくすることができなきゃ、
俺はもう満足できねぇんだよッッッ!!!」
と答えたそうな。
仕事は何であれ「何によって知られたいか」は常に己に問うべき問いですね。
成果をあげる人の8つの習慣
長くなったのでオマケとしてドラッカーが発見した
「成果をあげる人が持つ8つの習慣」をサラッとまとめておきますね。
- なされるべきことを考える
- 組織のことを考える
- アクションプランを作る
- 意思決定を行う
- コミュニケーションを行う
- 機会に焦点を合わせる
- 会議の生産性を上げる
- 「私は」ではなく「我々は」を考える
詳しく知りたい人はぜひこの本を読んでね▼
まとめ
ドラッカーの偉大さは、自分が偉大であったのみならず、
多くの人を偉大にしていったことです。
死してなお、彼の著作が愛されることを考えればその凄さはよく分かるかと。
偉人と同じ習慣(トレーニング)を積めば、
偉人になれるとは言わずとも近づくことはできるんです。
成功は100%ではありませんが、成長は100%ですからね。